「くく、先輩?」 小さくなっても、こぼれそうな大きな目は変わらない先輩に声をかけると、きょとんとした顔でわたしを見上げる、くく先輩。 「それ、おれのこと?」 自分を指差しながらのおさないしぐさに、思わずきゅーっとしたくなった。だって、だって、先輩、かわいい。ふくふくのほっぺとか、ちいちゃい手とか、ちょっとあぶなっかしい動きとか、はらはらするけど、見ていると気持ちがほんわかするし。 「うん。あのね、くく先輩はね、久々知兵助っていう、名前なの」 「くくち、へーすけ」 もごもごしながら、へーすけ、へーすけ、とくりかえすくく先輩。ちょっと舌たらずなのも、かわいいなあー、なんて思っていたら、くいくいっとそでを引かれた。 「なぁに、どうしたの?」 なんだかもじもじしているから、なるべくこわがらせないように、くく先輩の背丈にあわせるようにしゃがむと、ぱちり、と音が出そうなまばたきのあと、わたしのほっぺたにぷにゅっとしたものがあたった。 「おれ、おねえちゃんのこと、すきだ」 …小さくってもくく先輩はくく先輩なんだなあ。 にこにこしながら、ぎゅーっと抱きついてくる先輩。してやられたような気がしてくやしいやら、うれしいやらでどうしたらいいのか分からないわたしは、怒ったようなふりをして、赤くなった顔をごまかすので精一杯なのでした。 12.05.06 子供でも、大人でも、あなたはあなた |