デジャヴを感じて、ぼんやりした目をゆっくりと覚ましていく。昨日三人でつついた鍋がそのままにしてあって、左隣では大和君が眠っていた。今日が仕事が休みの日でよかったと腕時計の時間を見て思う。もうとっくに11時を回っている。冷えたこたつからでると、私はそこらへんに転がった缶ビールの空き缶やコップをまとめ、とりあえず台所のシンクに置いておく。そういえば、千尋さん(同い年なのにどうしてもさんづけしたくなる。本人は君付けしてくれとなぜか至近距離でささやいてくれたけど)がいない。どうやって一人で宴のあとを片付けようかと思っていると、不意に玄関が開く音がした。 「…あれ、チャン起きてたの?てっきり小林クンと寝てるかと思ったけど」 「なんか目が覚めちゃったから。千尋さ…君はコンビニ?」 「そ。部屋にアルコールの匂い染み付いちゃったら嫌でしょ」 そんなことをいいながら消臭剤を振りまく千尋君の姿に、なぜか主婦の姿をダブらせて。それがあまりにも似合わないから思わず、笑ってしまう。千尋君にはちょっと(いやかなり?)気分悪いだろうけど、どうにも、止まらなくて。なんだか、すごく居心地がいい。変なの。あんなに最初はいやな場所だったのに。 それから、事あるごとに私は大和君と千尋君の家に呼ばれるようになって、ケンカも仲直りもたくさんするようになって。三人で入るのが当たり前だと、思っていたから。 「ちゃん、よかったら今度遊園地行かない?」 「いいよ。じゃあ、お弁当作っていくね。私と、大和君と、千尋君の分ね。…あ、なにか好き嫌いとかある?」 「え、ええと……。その、僕と、ちゃんの二人だけで………」 だめ?なんてまるで小犬のような目で見つめてくるだなんて、反則技で。思わずOKなんてしてしまったけれど。……私って、切り替え早いのかな。もう、恋愛なんてこりごりだと思っていたのに。待ち合わせ場所で人を待つのなんて久しぶりで。手持ちぶさたに腕の時計を眺めては色んなことをぐるぐる考えてみる。答えなんて、出ないのに。 06.04.02 |