お化け屋敷を出たあと、ほんの少しだけ私の態度がおかしいのを千尋君が気にしていたみたいだった。けど、彼は何もいってこなくて。それがありがたいような、なんだか寂しいような。なんでかな。そこに突っ込まれないのは私にとって都合のいいことなんだから、喜ぶべきなのに。 閉園間近の遊園地にはほたるの光がかかっていて。イルミネーションの光も何だか寂しげに見える。お土産コーナーで慌ててみんなで食べれるお菓子を買って、名残惜しいような気持ちで遊園地を出て。なんだか楽しかった時間から目が覚めるような…まどろむような感じ。 「遊んだねー」 「それに結構食べたよね。園内の屋台ほぼ全部回ったんじゃないの?」 「お土産、足りるかなぁ?」 駅までの道は、たくさんの人であふれていて。これだけの人が今日、同じように楽しんでいたのかなと思うと何だか不思議な感じがした。はしゃいでいた余韻が抜けきらなくて、足元がフワフワするような感じ。おかしいな、アルコールは飲んでないのに。 「ちゃん、危ないよ」 「あはは!うん、ごめん。ありがとう」 よろめく私をささえてくれた大和君にお礼を言うと、私はしゃきっと歩き出す。危なっかしいな、と千尋君が呟いて、そんな二人を見ながら後ろ向きで歩いて。くるりと、前を向いた時だった。 帰りのラッシュで行き交う人の群れの中で、一番会いたくない顔を見つけてしまった。あっと思った瞬間、私の何かが凍りつく。同じように、二人の足も止まる。どうしたの?と声を掛けてくれるのに、私は返事を返す事も出来なくて。 左手を可愛らしい女の子と繋ぐあの人がいた。 06.04.02 |