あの日から私の目はいつだって大和君を追っていて。 「チャンさー」 私と大和君と千尋君でどこかに遊びに行くのが恒例で、今日も三人で映画を見に来ていた。本編が始まる前に、大和君はお手洗いに行ってしまって、私と千尋君の間にはぽつんと一人分穴が開いたみたい。 「なぁに?」 退屈そうな千尋君の声に、パンフレットを見ていた私は顔を上げた。 「デートのつもりなら小林クンと二人で来なきゃだめでしょ」 ドキッとした。改めていわれると、意識してしまって仕方が無い。心の中では『違うわ』と思っていたけれど、声はすぐには出なくて。 「ちが……」 「ごめんね、お待たせ!」 言いかけた言葉は、やっと戻ってきた大和君にさえぎられて。千尋君といえば、私と話していたことなんて何も無かったという風に大和君とじゃれ合っている。置いてきぼりの私は、くるりと振り向いた大和君に愛想笑いをすることしかできなくて。 「あ、はじまるね」 くすくす笑って、スクリーンに釘付けになった大和君の横顔をちらりと眺めて。映画が終わったあと、面白かったねといわれて戸惑った。 07.03.06 |