『あんたさ、本当は自分の気持ち、わかってるんでしょう?』 ぐるぐるとめぐるのは、あの時の友の言葉。一緒に帰ろうと誘ってくれたのを断って、一人夜の道を歩いているのは、じっくりと自分ひとりで考えたかったからだ。 (大和君のことを、すき……) 自分に言い聞かせるように、ゆっくりと飴を口の中で溶かすように心の中で反芻した。自分の気持ちにきちんと向き合ってみると、むずがゆくて気恥ずかしくてたまらない。けれど、さっきまでの不安は嘘みたいにどこかへいってしまっていて。 (私は、大和君が……すき…………) 飴を溶かせば溶かすほど、暖かい気持ちとともに胸がゆるく締め付けられて。私はきっと、この切ない甘みから逃げたかったのかもしれない。この気持ちにもう一度触れることに怖がっていたのだ。怖くなんて、ないのに。 (やまとくん……) 笑ってる大和君を想像したら。私のことをまっすぐ見つめる瞳、あの優しい声、怒った顔、はにかんだ表情。 07.03.20 |